わが国の隅々までワクチン接種を! 医療過疎地域へのワクチン接種支援

目標達成しました!
ご支援、ご協力に感謝!

「わが国の隅々までワクチン接種を!医療過疎地域へのワクチン接種支援」を継続するための費用として、クラウドファンディングによる支援をお願いしておりましたが、52名のみなさまからの支援により目標を達成することができました。活動資金だけでなく、あたたかい励ましのお言葉を添えての応援は、活動を継続していくうえで我々の活動の支えとなります。
 ほんとうにありがとうございました。
 今後とも、「われらはふるさと医療応援団」の活動に、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

山添村でのワクチン接種支援特集

『親切で丁寧な医療を患者さんのために』:野村医院

山添村で開業されている野村医院の野村先生との対談。
医療過疎地域でのワクチン接種支援の必要性について、実際に支援を受けてみての感想を述べられています。

プロジェクトを立ち上げたきっかけ

新型コロナウイルスのワクチン接種は、都市部等の医療従事者が多い地域では人手が得やすいですが、医療過疎の地域ではワクチン接種のマンパワーを確保することは容易ではありません。奈良県山添村は、このようなワクチン接種のマンパワー不足が、2021年2月から報道されて問題になっていました。ぎりぎりの人数でワクチン接種を担っているので、現地の医療従事者が一人でも倒れるとワクチン接種が立ち行かなくなるという懸念がテレビニュースで広く伝えられました。

山添村の風景
長寿

山添村は写真のように美しく、空気のおいしいところですが、医療従事者の数は限られています。

写真のように、山添村にはびっくりするような大きな岩があって、長寿岩と呼ばれています。でも、医療機関は村営の診療所以外は、クリニックが一つあるだけです。

そこで、NPOわれらはふるさと医療応援団では、山添村でのワクチン接種のマンパワー不足を解決するために、医師、看護師、薬剤師たちが立ち上がるとともに、他の医療従事者にも声をかけて支援を広げてきました。4月のワクチン接種開始時から、継続的に支援に入っています。きっかけは、NPOが進めていた感染防護研修会を、たまたま2021年2月に山添村で開催する機会があったことによります。NPOは介護施設等でのクラスターの広がることを懸念して、こうした研修を受ける機会の少ない地域で研修会を進めていました。今でも忘れられない2月14日でした。感染防護研修会を村の介護施設等のさまざまな施設の職員を対象に実施したのです。その際、ワクチン接種のマンパワー不足にお困りの状況を聞いて、支援を行うことになったという経緯です。

プロジェクトの内容

2021年4月15日には、現地で接種訓練と打ち合わせがあり、NPO代表者(平出)が参加しました。

写真は接種会場の山添村保健福祉センターです。駐車場も広大で施設も広くて理想的ですが、その分、かえって人員も必要になります。

NPOのメンバーは、課題解決型高度医療人材養成プログラムで養成されてきた医療従事者が中心ですが、京都橘大学の医師、看護師の先生方にも声をかけて、4月中に、医師3人、薬剤師1人、看護師1人が、のべ8回、支援に参加しました。医師は接種者の予診に、薬剤師はワクチン調製に、看護師は接種後ケアに、主にかかわっています。しかし、ワクチン接種は、職種にかかわらず皆で協力して安全を考慮しながら進めることが重要です。接種後の手続きや、接種者の案内など、さまざまなところで協力し合いながら支援を続けています。5月には、医師3人、薬剤師1人、看護師2人が、のべ17回、支援に参加しました。山添村では、ワクチン調製をする薬剤師は想定されていなかったので、薬剤師の参加は歓迎されました。6月には、加えて薬剤師は4人が参加しており、次第にボランティア支援が拡大しています。そのこともあり山添村の接種は順調です。各地で、きちんと調製されていないワクチンや生理食塩水がそのまま注射されたり、同じ人が経路を間違えて、同日に2回接種を受けてしまったりといった事故が頻繁に報道されています。このようなトラブルは、ワクチン接種のボランティアが不在で、ぎりぎりの必要人数で接種が行われていることに一つの原因があるのではないかと考えています。人的に余裕のある環境で接種が行われることはとても重要です。

写真は、山添村とは別の、ある接種会場でみかけたワクチンです。RNAワクチンですから、日光にさらすことはご法度です。報道されないトラブルとしても、このような隠れたトラブルが本当は、数多く発生していることが懸念されます。しかし、山添村ではこのようなリスクはとても少ないと考えています。

ワクチン調製には薬剤師が加わり、2人以上で作業してダブルチェックを行います。

プロジェクトの展望・ビジョン

山添村は山間過疎地域に位置しており、どうしても旅費がかかります。4月の支援では、8回の支援で49080円が旅費としてかかりました。5月には17回の支援に105060円の旅費がかかりました。これらは、NPOから支出しましたが、2019年に生まれた小さなNPOであり、まだまだ資金力がありません。そこで、クラウドファンディングを行うことになりました。8月以降の、支援回数を40回と試算すると247200円が必要となります。また、関東から駆け付けたいという看護師、薬剤師の方も、ご自分の夏休みをこのボランティア活動に使いたいと最近登録いただいたことから、その旅費の補助も含め、クラウドファンディング運営会社の手数料を含めて400000円を計上しています。今後、64歳以下の方々の接種は8月17日以降に計画されています。国内の隅々までワクチン接種をするためには、この山添村のボランティア支援の仕組みは、有力なモデルになると信じています。

写真は医師として、接種が可能か、予診をとって確認をしている様子です。万一、接種後、具合の悪くなった人が出ても、複数の医師がいることで安全な接種が実現します。医師がひとりだけであれば、もし重篤なアナフィラキシーが発生した際には、接種がストップしてワクチンが無駄になることもありえます。

5月24日にNHK奈良でこの取り組みをニュースで放映してくれました。また5月31日には、毎日放送の西靖アナウンサー(毎日放送 解説委員)が、山添村を訪れ、インタビューされました。これは6月3日に放映されました。山添村では、高齢者のワクチン接種が終了しつつあります。今後は、週末の接種等も検討されていますが、その場合、いままでボランティアとして、週日には参加できなかったNPOメンバーも参加できるようになります。そのようなことも含めて40万円を計上しました。わたくしどもは、長年地味な研究を重ねながらRNAワクチンを開発していただいたビオンテック社のカタリン・カリコ博士をはじめ関係者の皆さんに深く感謝します。現在、わたくしどもに、できることはわが国の隅々まで、少しでもワクチンを安全に確実に接種することだと考えています。このボランティア活動に、あなたのご支援をお願いします。この記事を読んでいただき、ありがとうございます。