われらはふるさと医療応援団とは
医療資源が十分でない医療過疎地域の医療従事者を支援する応援団です。設立は2019年7月で、当初は、へき地で働く医師を支援することを目標としました。国境なき医師団ならぬ“年齢なき医師団”として、シニアの医師たちがへき地の医師を支援するという趣旨です。へき地で働く医師の診療支援をして、なかなかとれないバカンスや自分自身の健康診断のために代診をすることを考えていました。
ところが
実は、このような診療支援は、簡単でないことが活動を通じてわかってきました。医療過疎地域では医師と住民の関係は普段から密接で、外部から見知らぬ医師がきても簡単には役割を担うことができないからです。また、診療の技能の点でも、へき地での医療を担う能力は、大きな病院で様々な助けを得て診療してきた医師にとっては、簡単には診療を肩代わりできないという事情もありました。そこで、へき地で行われている健康教室を地元の医師の代わりにNPOで開催したり、(Readyfor 瀬戸内の島の健康教室参照)へき地で働く医療従事者が、なかなか研修の機会が少ないことから研修会を開催して教育研修のサービスを提供するなどの活動をしてきました。
コロナ禍での展開
新型コロナウイルスの感染拡大は、NPOにとって転機になりました。医療過疎地域では、医療関係者だけではなく介護関係者にとっても、在宅サービスを担う方々にとっても、感染防護の研修のニーズが高まりました。その中で、感染防護の実践的な研修会を開催してきました。2020年9月に日本在宅薬学会で原型となる調査とワークショップを行い、12月には京都府薬剤師会にて薬剤師を対象に研修会を展開しました。また、2021年2月には、山添村で介護関係者を対象に感染防護研修会を行いました。この研修会は現在も継続しています。
ワクチン接種支援と山添村
奈良県山辺郡山添村で実施された感染防護研修会では、山添村での新型コロナウイルスへのワクチン接種のためのマンパワーが少ないことも強く認識されました。同じころ、NHKから、山添村の懸念がニュースで放映されたこともありました。NPOでは感染防護研修会だけでなく、医療過疎地域でのワクチン接種支援をボランティア支援することになりました。この支援は現在も継続しています。
山添モデルの展開と評価
現在、NPOでは山添村でのワクチン接種支援をさらに展開して、「わが国の隅々までワクチン接種を! 医療過疎地域へのワクチン接種支援」のタイトルで、クラウドファンディングを展開しています。支援に関しても2021年4月にはのべ8回の支援を行いましたが5月には17回の支援を行い、6月にはさらに支援回数が増加する見込みです。8月にはさらに夏休みを利用した医療従事者の登録を見込んでおります。今後の展望として、こうした山添村の支援の評価も行う計画です。